ブラジル闘争特集―その? ブラジルの学生運動(サンパウロ大学)

参考資料「サンパウロ大学(USP)の政治宣伝禁止弾圧との闘い」(PDF)

?サンパウロ大学(USP)の政治宣伝禁止弾圧との闘い
サンパウロ大学の学生、Júlio Mariutti(ジュリオ・マルウッチ、2002年入学)の2007年の文章による(World Socialist Web Site が英訳)。彼の他の文章も参考や、他の学生Diego Navarro(文学部、入学年不明)の文章も参考にした。

2005年8月、サンパウロ大学の路上に政治スローガンを書き込んだ学生2人が逮捕された。「17日、ブラジリアの闘いへ!」という内容だ。建物の壁ではなく、路上だから大学の建物の壁と違って「器物破損罪」は適用できないので、「美観を損ねた罪」を強引に適用した。(05年、3ヵ月の実刑判決。06年高裁でも実刑)


この時期、ルラ政権与党、PT(労働者党)は重大な危機に陥っていた。
労働者階級のPTへの幻想、期待が怒りに転化し、巨大な闘いが始まりつつあった。(コンルータスのPT系ナショナルセンターからの分離独立は、2004年3月)
大情勢から見ると
? 中南米全体がすでに革命情勢の中にあること
? 73年のチリの軍事クーデター、「チリの実験」から始まる新自由主義政策に対して、長年の怒りが蓄積されていること
? 「左派」づらをした体制内指導部が何度も裏切り、さらに激しく新自由主義を推進していること
まず、ルラの前任者、カルドーゾ


◎反従属理論家=カルドーゾ前大統領の新自由主義強行

??だが、実際にやった政策は、その前政権よりさらに強引な新自由主義政策。労働者、農民の怒りの決起。ブルジョア政党「改革派」では統治の限界に達した。
もともとルラの前のカルドーゾ大統領自体が、新自由主義への大衆の怒り、カルドーゾへの幻想・期は、1960年代に「従属論」を論じて世界的に有名になった学者。帝国主義の新植民地主義的支配に反対する学者と思われていた。だから、カルドーゾは、帝国主義の新自由主義政策に待を集めて登場した。カルドーゾ抵抗していくのではないかという幻想があった。

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◎?「戦闘的労働運動」出身のルラ・PTの腐敗

 ルラは、70年代末?80年初頭に軍事政権下で基幹産業の大ストライキを組織し、独自の労働組合を作り上げた戦闘的労働運動の出身。PT(労働者党)を組織→労働者階級の期待を集めて、2002年の大統領選挙に勝利
実際には、80年代初期にすでに資本家と癒着・腐敗し、御用組合化。02年の大統領選挙過程では、金融資本中枢の人物を副大統領、中銀総裁とする約束をして、ブルジョアジーの支援を受けた。

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公務員年金の破壊
?03年1月に就任したルラのPTは、ただちに「年金改革」に着手。労働者階級の期待が怒りに転化。
だが、第四インター統一書記局派(フランスや日本の第四インターの派)は、極一部が年金改革に反対してPTを除名された(04年)だけで、大部分はルラ政権支持を続行。労働者のルラ政権への反乱を抑圧した。


野党の買収、企業からの贈賄、巨額の現金の国外持ち出し…
? しかし、04年に「メンサラン」スキャンダルが暴露され、05年に腐敗の規模の巨大さが次々に大衆的に明らかになった。(1)ルラ政権の中枢(PT党首、幹事長、主要閣僚)が軒並み連なった事件。野党に金をばら撒いて、議会で票を買っていた。(2)巨額の現金の国外への持ち出し。(3)マフィアとの癒着。(4)企業からの巨額のワイロ……
「年金改革」への怒りの決起を抑え付けられてきた労働者人民の怒りが、この腐敗事件を機に一挙に噴出していった

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◎?2005年のUSP弾圧と2006年の軍の大学制圧策動

 軍政(1964?85)の下でさえ、大学に軍が常駐することはなかった。時に「侵入した」ことがあったが。学生の逮捕もキャンパスでは行われていない。
だが、05年、USP(サンパウロ大学)当局は、逮捕に踏み切った。警告もせず、いきなり拘束し、警察署に連行。05年は、政治ポスターを徹底的にはがす(非政治的なポスターは放置)など、政治活動の封じ込めをエスカレートさせた。
2006年になるとさらにエスカレートしていった。
 また、この時期、ルラ政権によって公立大学と大企業・大銀行との「パートナーシップ」が推進された。大学の事実上の民営化路線。
軍警察(憲兵隊)がキャンパスに常駐。
学生生活全般への規制の強化。入構の厳しいチェック、キャンパスに居られる時間の制限、監視カメラの設置、ビラまきの禁止、政治的ポスターの禁止、パーティーの禁止、学生諸組織に与えられていたフリースペースの取り上げ、学生の「規則違反」での処分の乱発。

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